こんにちは!ふゆこ(@fuyuko190)です。
今回のテーマは「日経平均株価の高騰」です。
この記事を最後まで見れば、以下の内容が分かります。
- 日本株は今後どうなるの?
- 日本株を買うべき?
- 積立NISAはどうすれば良いの?
↓は1991年1月〜2023年7月13日までの日経平均株価です。
ここ最近で急激に値上がりしました。
こういった最近の日本株の高騰を受け、下記のようなニュースも出てきました。
他にもいろんなニュースが出ていて、戸惑う投資初心者の方もいらっしゃると思いますので
結局私たちはどうすればいいの!?投資で損したくない!
あわよくば投資で資産を増やしたいよ!ウハウハになりたいよ!
という初心者の方向けに日経新聞の記事を解説していきます。
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結論
今回の結論はこちら。
- ニュースは気にしない
- 今まで通り積立NISA(インデックス投資)を継続しよう
- 日経新聞だろうと盲信しない
- 初心者がやるべき投資の原理原則は、株価が上がろうが下がろうが変わらない
- 「無理のない投資額で」「分散した」「コストが低い」「インデックス投資」を続けよう
日経平均が8万円になる可能性は?
上記の記事を要約すると、下記のようになります。
- 日経平均はドルで見るとそこまで割高感はない
- 日本株のPBRは1.4倍と低い。欧米は1.5倍以上。
- 資本を有効活用して利益を上げれば、PBR2倍もあり得る
- PBR2倍になれば、日経平均は8万円まで上昇する計算
つまり…どういうことだってばよ!?
専門用語があって意味不明ですよね。
初心者さんにもわかりやすく、順番に解説していきます。
ドルで見ると日経平均株価の見方が変わる
「円で見た場合」「ドルで見た場合」の日経平均株価は下記です。
↓円で見た時の日経平均株価(2018年7月〜2023年7月)
↓ドルで見た時の日経平均株価(2018年7月〜2023年7月)
全然景色が違って見えますね。これは、ドルで見ると円安とともに日本株も割安になるためです。
つまり、普段ドルで資産を持っている海外投資家からすると、「日経平均株価は上がりきった」という感覚にはなりにくいです。日本円で見ると33年ぶりの高値なので、「これが天井かもしれない」と思ったりしますけどね。
日本株はPBRが低い
日本株は、他の国と比べてPBRが全体的に低いです。
PBR(株価純資産倍率):現在の株価がその企業の1株当たりの純資産に対して何倍に相当するか。
PBRは高い方が、その企業が持っている資産よりも多くの価値を持っているという評価を受けていることになります。
日本株のPBRが低い原因は、資産ばかり積み上げているからだと言われています。
本来、企業はより利益を上げるために、稼いだ利益を
- 開発、設備への投資
- 他企業の買収
- 株主への還元(自社株買いや配当金)
などに使います。
この「資金をどれだけ効率よく利益に結びつけたか?」を判断する指標がROEです。
自己資本は、企業が株主から預かっているお金。ROEは、自己資本を元にどれだけの利益を上げているか?を判断できる数値。
しかし、日本企業はこういったことをしないため、株価が上がらずに1株あたり純資産が増えていきます。
つまり、日本株のPBRが低いのはROEが低いからだということです。
※実際はもう少し複雑ですが、今回はシンプルにお伝えしていきます。
逆に言えば、この記事の藤原氏によると「ROEが上がればPBRも上がり、株価も上がるのではないか?」ということですね。
日本はPBRとROEが低いというデータも紹介します。
下記は年度ごとのPBR推移を日本・アメリカ・ヨーロッパで比較したグラフです。
- BE500:欧州企業株の時価総額上位500銘柄
- S&P500:アメリカの時価総額の大きい主要500銘柄
- TOPIX500:東証市場第一部銘柄の時価総額及び流動性の高い500銘柄
下記はROEの推移を日本・アメリカ・ヨーロッパで比較したグラフです。
まとめ:日本株はROEが低い。だからPBRも低い。
日経平均8万円の根拠は?
先ほど「日本株が低い原因はROEが低いからだ」と説明しました。これ自体は藤原氏の予想に過ぎませんが他の経済記事でも一般的に言われていることです。
ここで「日経平均8万円説」では、下記の仮定をします。
- 2030年にROEが現在の約9%から13%に上がるとする
- 配当性向は現状と同じ30%とする
↑のように、ROE13%という数値はヨーロッパと同等&アメリカ以下です。そこまで突拍子もない数字ではありません。
ROEとPBRは比例関係にあります。つまり、ROEが9%から13%に増えると、PBRは1.99倍になります。
意味合いとしては「日本企業がこれまでよりも設備投資等を積極的に行い、資本に対する利益を今までの1.44倍に増やした」ということですね。
この場合、日経平均の1株当たり純資産は4万円程度になるため、
上記の式より、PBR=1.99、1株当たり純資産=4万円のため
日経平均株価は約8万円になってもおかしくないという計算です。
日経平均4万円説も
「日経平均株価がもっと上がるのでは?」という予想は、藤原氏以外の専門家もしています。
予想①グローバルリンクアドバイザーズ代表 戸松氏
「現在の日経平均の上昇幅を考えると、節目の3万5000円を超えれば、史上最高値の更新が視野に入る。そうなれば年内に4万円を超えても不思議ではない。もっと長期的には、かつてない上昇があるかもしれません」出典:マネーポストWEB
予想②フィデリティ投信 重見氏
「日経平均が4万円に到達することは、それほど難しくはないと考えている。」出典:日本経済新聞
予想③楽天証券 窪田氏
「私は早ければ2年、遅くとも4年以内に過去最高値を超え、4万円台に上昇すると予想しています。」出典:日本経済新聞
一方で、日経平均が下がる!という予想もあります。
予想④米国CFA協会認定証券アナリスト 馬渕氏
「今すぐでないとしても、いずれ「正常化」という名の株価下落が到来しよう。」出典:東洋経済オンライン
ふゆこの意見
藤原氏によれば「日本人の投資家にこれを説明すると眉唾のように捉えられるが、海外投資家に説明すると違和感は持たれない」とのこと。
個人的には「日経平均8万円なんて、すごい予想が出てきた…」とびっくりしました。
でも、数値を追って見ていくと、そこまで変な予想というわけでもないようで…むむむ…
今回の「日経平均8万円説」の元になっているのは下記の仮定です。
2030年にROEが現在の約9%から13%に上がるとします。
配当性向は現状と同じ30%とします。
そのため、この仮定に無理があれば、日経平均8万円説にも無理があります。
しかし、ROE13%というのは現状のヨーロッパと同程度、かつアメリカ以下なので、「絶対無理」とも言えない水準です。
配当性向30%も、現状と同程度の水準なので無理ではありません。
一方で、ROEが13%になることの意味合いとしては「日本企業がこれまでよりも設備投資等を積極的に行い、資本に対する利益を今までの1.44倍に増やした」ということです。
日本企業はそんなことできるのか?という疑問は残りますね。
色々ごちゃごちゃ言いましたが、結局私が言いたいことは「株が上がったからこれからも調子が良いかも」系のニュースには注意が必要、ということです。
こういったニュースは勉強にはなるんですけどね。
私としては盲信せず、こういったニュースで株の売買を決めないのが大事だと思います。
こういったニュースで投資判断をするのは短期投資家の方です。私のスタンスは長期投資です。
今まで通りのインデックス投資と高配当株投資を続けます。
- 積立NISAでインデックス投資を始めた方
- これから投資を始めようと思っている方
以上の方はほぼ100%の方が「インデックス投資」という、長期投資が大前提の投資をしている(する予定)です。
であれば、こういった投資ニュースに踊らされてはいけません。
元々が「こういったニュースは関係ない」投資な訳ですから。
要注意な人間の本能「直線本能」
こちらの本に人間の持つ「直線本能」について書かれています。
↓はS&P500のチャートです。↓のようなグラフを見たら、原理原則やその背景を無視して「これからも上がるんじゃないか」と思ってしまうのが直線本能です。
2010年台は米国株の調子が良く、「S&P500最強!」といった話が目立ちました。
しかし、実際はS&P500はこの後下落しました。
一方、以下のように、日経平均株価は2012年ごろまでずっと下落続きでした。
そのため、直線本能から、「日本株はこれからも下がるはず」と思っている方が多かったんです。
私もそのうちの一人でした。
でも実際は、以下のように最近は増加しています。
すごく当たり前なのですが、株価は
- 今まで上がっていたからこれからも上がるのではない
- 今まで下がっていたからこれからも下がるのではない
- 今後の景気、円安、インフレ、世界情勢、投資家の判断で決まる
です。
人間がモノを見た時に、直線本能というバイアスのせいで正しい判断ができなくなったりします。なので注意が必要ですね。
具体的には、長期のインデックス投資や高配当株投資であれば下記に気をつけましょう。
- 株価が上がっているからという理由で「もっと上がるかも!」と思って追加投資したり、売却して利益確定するのはNG
- 株価が下がっているからという理由で売却するのはNG
ケースバイケースですが、長期投資というスタンスであればこういった短期取引は目的と合わないためNGのはずです。一旦冷静になるのが大事ですね。
もちろん、自分のリスク許容度以上に投資をしていた!と気づいた場合は、投資した資産の一部を売却するのもアリです。
こちらの本ではそういったバイアスについて、10個の思い込みを紹介しています。
ここ数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた。医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家―ほとんどみんなが間違えた。みんなが同じ勘違いをしている。本書は、事実に基づく世界の見方を教え、とんでもない勘違いを観察し、学んだことをまとめた一冊だ。
引用元:FACTFULNESS
超おすすめ本なので、参考までにどうぞ。単なる自己啓発書ではなく、統計データに基づいた役立つ本です。100万部突破のベストセラーです。
時代に振り回されないために(対策)
ということで、今回の結論はこちらです。
- ニュースは気にしない
- 今まで通り積立NISA(インデックス投資)を継続しよう
- 日経新聞だろうと盲信しない
- 初心者がやるべき投資の原理原則は、株価が上がろうが下がろうが変わらない
- 「無理のない投資額で」「分散した」「コストが低い」「インデックス投資」を続けよう
今後
- 米国株よりも全世界株の方がリターンが高い
- 株よりも債券の方が利率が良い
- 債券や株よりも預金の利率の方が高い
という時代が来ることは十分あり得ます。
そういった中でも、「得な方に飛びつく」という様にただ流されるのではなく
基本スタンスを崩さずにいることが大事だと思うんです。
みなさんよくご存知の通り、インデックス投資は長期投資が大事です。
今回のニュースで「え!?日本株調子良いの!?最近米国株調子悪いし、不安だから日本株に乗り換えようかな…」と思ってしまった人は基本スタンスを見直すことが大事です。
対策としてはこちらの6つの基本をおさらいしてみましょう。
- 200年以上、暴落しても必ず回復して右肩上がりになった
- 15年保有すればプラスになる可能性が高い
- ベストな5日間を逃してしまうと50%損する
- 日本株インデックスは成長していない
- コストが高いファンドを買うとかなり損する
- リスク許容度に合った投資が大事
この6つの知識についての詳細はこちらの記事で紹介しています。投資で損をする可能性を最大限減らせる知識について解説しました。
もう1つの対策は、こちらの本を読むことですね。どちらかで良いんですけど、個人的には「敗者のゲーム」の方が読みやすくてオススメです。