こんにちは!ふゆこ(@fuyuko190)です。
私は4年前から積立NISAを開始し、年収350万円・貯金40万円から資産1000万円を達成した方法について「節約オタクふゆこ」チャンネルで発信しています。
以前、配信でこちらの質問をいただきました。
分かります。わたしも最初はすごく迷いました。失敗したくないから、投資先は慎重に選びたいですよね。
ライブ配信の時にも回答したのですが、今回はこちらの質問について
- ライブ配信の時よりも詳しく
- データをわかりやすく解説
という形で、回答していきます。
ということで、今回のテーマは「S&P500と全世界株式を両方持っても大丈夫なのか?」です。
私も4年間は「株価って何?」というレベルの超初心者でした。
なので安心してください!今回の記事を最後まで読む頃には、超初心者さんも「自分はこうすれば良いんだ!」という答えが見つかっているはずです。
- 米国株、全世界株インデックスとは
- 両方持っても大丈夫なのか
- デメリットや注意点
投資信託の選び方の話だけでなく、それぞれの投資先の注意点や、投資初心者さんが損をする可能性を最大限減らすための方法を紹介していきます。
- SBI証券
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結論
結論は以下です。
- S&P500と全世界株を両方保有しても良いし、片方でもよい
- 現在、全世界株のうち6割は米国株。S&P500と全世界株を半々で保有すれば、保有資産のうち8割が米国株になる
- 全世界株の中の国の比率は変化していく
- どっちでも良いので、コストの低いインデックスファンドを選んだ方が良い
今回は、以下の順番で解説していきます。
- S&P500と全世界株の投資内容について復習
- S&P500と全世界株のリスク、リターンについて復習
- S&P500と全世界株を半々で保有した場合の投資内容、リスク、リターンを解説
S&P500/全世界株式は何に投資しているの?
今回は、以下のeMAXIS Slimという投資信託シリーズを例に比較していきます。
「ベンチマーク」とは、その投資信託が運用する際に目標とする基準のこと。
例えばeMAXIS Slim全世界株式は、「MSCI ACWI」という指数に連動することを目指します。
ちなみに、今回紹介するeMAXIS Slimシリーズを運営している「三菱UFJ国際投信」という会社から、私は一銭も頂いていないので安心してください。
まずは投資先を解説していきます。
S&P500の投資先
米国で時価総額の大きい主要500社で構成する時価総額加重平均型の株価指数。構成銘柄は定期的に見直される。
要するに、「アメリカの人気大企業500社」ってことかな?
厳密には違うけど、イメージはそんな感じだよ!
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の、投資比率が多い上位10位までの銘柄がこちら。
Apple、Microsoft、Amazonなどの有名大企業が上位を占めているんだね!
時価総額で加重平均をかけ、銘柄の組入比率を決定する方法。
例)S&P500は時価総額加重平均型の株価指数です。つまり、時価総額が大きい銘柄はS&P500に高い比率で組み入れられています。
時価総額=株価×発行株式数 なので、「株価、買われている株式の数」が多い銘柄は時価総額が大きくなります。
各企業の時価総額は変化するため、組入比率も時と共に変動します。
時価総額加重平均ッ?!難しすぎるッ!!
漢字8文字の単語なんて、関西電気保安協会しか知らないよ!
わけが分からないよ!!!
安心してください。
要するに「世の中のAppleへの投資額が大きい」ため「S&P500の中のAppleの組入比率も大きい」ということです。
この後解説する、全世界株式も時価総額加重平均型です。
これは、eMAXIS SlimだけでなくSBI・Vシリーズなどの他の投資信託でも同じです。大抵のインデックスファンドが時価総額加重平均型です。
全世界株の投資先
eMAXIS Slim全世界株(オールカントリー)は、MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)に連動することを目指した投資信託です。
- 投資対象の国:先進国(23カ国)と新興国(24カ国)
- 投資銘柄数:約2,900銘柄
- 世界の株式の時価総額のうち、約85%をカバー
国・地域別の構成比率は以下です。
「全世界株」と言っても、アメリカが6割を占めているんだね!
それは、世界中の株式投資のうち約5割が米国株への投資だからです。
eMAXIS Slim全世界株は「時価総額加重平均型」なので、時価総額(投資されている金額)が大きい国ほど比率が高くなります。
eMAXIS Slim全世界株(オールカントリー)の、投資比率が多い上位10位までの銘柄がこちら。
全世界株も、Apple、Microsoft、Amazonなどの米国企業が上位を占めているんだね!
ちなみに、全世界株は「先進国株」「新興国株」へ投資します。新興国株よりもさらに小さい市場を持つ「フロンティア株」には投資しません。
クウェート、カタール、UAE、ナイジェリア、パキスタン、ケニア、オマーン、カザフスタン、ベトナム 等
S&P500と全世界株を半々で持つとどうなる?
S&P500と全世界株を半々で持つと、以下のような国・地域別の構成比率になります。
eMAXIS Slim全世界株は「時価総額加重平均型」なので、時価総額(投資されている金額)が大きい国ほど比率が高くなります。
そのうち、米国株は6割です。
例えば、
- S&P500を月5,000円購入
- 全世界株を月5,000円購入
とした場合、中身としては
- S&P500を月5,000円購入(5,000円分が米国株)
- 全世界株を月5,000円購入(3,000円分が米国株)
という形になります。つまり、月1万円積立のうち8,000円は米国株に積立をしている状態だということです。
これは、かなり米国株に偏った投資になります。
つまり、「S&P500と全世界株を両方持つ」ことをしても、地域分散の効果はほぼ生まれません。
投資信託がなくなるリスクもあるため、「投資信託を複数持つことによるリスク分散効果」も存在します。
しかし、eMAXIS Slimのような資産額の大きい(たくさんお金が集まっている)投資信託を選んでおけばほぼ気にしなくて良いリスクです。
もし仮に、投資信託自体がなくなっても、その時の時価で売却されるだけです。
お金は戻ってきますので、手間はかかりますが、同様の内容の投資信託を再度購入しなおせば良いだけです。
ただ、「かなり米国株に魅力を感じるけど、他の先進国や新興国株も2割くらい保有したい」という方はS&P500+全世界株での保有が良いと思います。
あとは、「S&P500か全世界株か決めかねている」という方も両方保有でも大丈夫です。
ちなみに、現在は全世界株のうち6割が米国株ですが、今後変わる可能性は十分にあります。
つまり、「S&P500と全世界株を同じ金額積み立てる」からといって、今後も「8割が米国株」という状況が続くわけではない、ということです。
eMAXIS Slim全世界株は「時価総額加重平均型」なので、時価総額(投資されている金額)が大きい国ほど比率が高くなります。
時価総額で加重平均をかけ、銘柄の組入比率を決定する方法。
例)S&P500は時価総額加重平均型の株価指数です。つまり、時価総額が大きい銘柄はS&P500に高い比率で組み入れられています。
時価総額=株価×発行株式数 なので、「株価、買われている株式の数」が多い銘柄は時価総額が大きくなります。
各企業の時価総額は変化するため、組入比率も時と共に変動します。
つまり、今後の可能性については理解しておいた方が良いですね。
- 全世界の株式投資のうち7割が米国株への投資になったら
- 全世界株のうち約7割が米国株になるかも
- S&P500と全世界株を半々で持てば、85%が米国株になる
- インド株が注目され、全世界の株式投資のうちインド株への割合が増えれば
- 相対的に米国株の比率が下がるかも
- S&P500と全世界株を半々で持てば、米国株の比率は80%以下になる
リスクはどのくらいあるの?
リスクについて、
- リターン
- リスク(標準偏差)
- シャープレシオ
の3つの側面から見ていきましょう。
過去30年間のデータをもとに算出したデータがこちらです。
リターンはなんとなくわかる!どれだけ資産が増えたかってことだよね。
でも「リスク」「シャープレシオ」って何?
この後「リスク」「シャープレシオ」について解説していきます!
リスク(標準偏差)って何?
まず、↓の「リスク」は何なのか?を解説します。
標準偏差とは、データのばらつき度合いを示した統計値で、価格の振れ幅(リスク)を数値化したものです。
リスクというと、一般的には「危険」という意味で使われる単語です。
しかし、投資の世界では「リスク=価格の振れ幅」です。
- リスクが高い:リターンのマイナスもプラスも大きい
- リスクが低い:リターンのプラスもマイナスも小さい
リスク(標準偏差)は厳密には数式で定義されていますが、難しいので割愛します。
↓の通り、S&P500の方がリスクが大きいです。つまり、1992年〜2022年は全世界株よりもS&P500の方が値動きが大きかったというわけです。
S&P500と全世界株を両方持てば、自分の保有資産全体のリスクはその間をとるような形になります。
ちなみに、コロナショック時の下落率はこちら。
S&P500と全世界株を両方持てば、自分の保有資産全体の下落はその間をとるような形になります。
シャープレシオ
まず、↓の「シャープレシオ」は何なのか?を解説します。
シャープレシオの定義はこちらです。
数式とか出されても意味不明だよドラえもん!助けてドラえもん!!
シャープレシオは要するに「1のリスクに対してどれだけのリターンが得られるか?」を表しています。
シャープレシオが大きければ、
- リスクに対するリターンが大きい
- 投資効率が良い
と言えます。
シャープレシオは全世界株よりもS&P500の方が大きいため、過去30年間で投資効率が良かったのはS&P500だということですね。
そして、全世界株とS&P500を両方持った場合、自分の保有資産全体のシャープレシオは間をとるような形になります。
過去のリターン
もう少し詳しく、過去のリターンについて解説します。
- 過去16年間のリターン
- 1970年〜2019年のリターン
のデータを見ていきましょう!
過去16年間のリターン
過去16年間の比較はこちら。
2018/3/28をスタートにすると、リターンはこちら。
例えば、2008/3/28に100万円投資した場合、2023/2/7には以下の金額まで増えました。
- S&P500:376万円
- 全世界株:207万円
- S&P500と全世界株半々:292万円
S&P500の方が全世界株よりも169万円もお得ってこと!?
じゃあ、S&P500の方がいいじゃん!
そうとも言い切れないのが、以下の過去50年間のデータを見ればわかると思います。
過去50年間のリターン
1970年代〜2010年代のリターンのランキングはこちらです。
- 2010年代:米国株一強の時代
- 1970年代〜2000年代:日本株、新興国株のリターンが1位だった時期も
ということで、単純に「最近は米国株のリターンが高いから米国株にしよう!」と判断するのは危険です。
そういった判断の仕方だと、もし仮に新興国株のリターンが高い時代が来た時
- 「最近は新興国株のリターンが高いから新興国株にしよう!」と投資商品をむやみに買い替えてしまう
- 「今は米国株への投資はしないでおこうかな」と積立をストップしたり、投資信託を売却してしまう
ということになりかねません。
初心者がプロ並みの成績を出すのに大事なこと
以上の情報から、
- 2010年代は米国株の圧勝
- でも、米国株が他の地域に負けることもあった
- じゃあ全世界株の方が良いのか?
- でも、米国株が今後も強いって言われている…
- 結局、わからない
と考えて、S&P500と全世界株のどちらにするか決めかねて、「とりあえず、S&P500と全世界株を両方持っておこう」と考える人も多いはずです。
↓以下の記事にも書きましたが、私個人としては、「S&P500・全世界株・先進国株どれにするか?」で悩んだ場合「どれが一番安心して放置できるか?」を考えるのが良いと考えています。
それはなぜかというと、
- 初心者でもできる
- 合理性・再現性の高い投資手法
それが、「優良な、低コストインデックスファンドへの長期投資」です。
保有し続けることと、低コストのファンドを選ぶことが大事です。
なので、「どれが一番安心して放置できるか?」を考えて決めるのが良いと考えています。
Twitterでは、下記の画像が数年前にバズりました。
実際、低コストのファンドであれば、インデックスファンドを買って15年以上の長期で保有をすることが非常に大事です。
世の中にはさまざまな意見があり、初心者さんは迷ってしまいますよね。
- S&P500だけ保有する方が良い
- 全世界株だけ保有する方が良い
- S&P500、全世界株を両方保有してはいけない
- S&P500、全世界株を両方保有してもOK
でも、そもそも、もっと大事なことがあります。大事なことさえ押さえておけば、「S&P500か全世界株か?」は大した差ではありません。
ですので、
- 米国株を多めに持っておきたいが、全世界株も気になる
- よくわからないから、とりあえず2つとも保有する
という理由でS&P500と全世界株を両方保有しても全然OKです。
大事なのは以下です。
- コストが低い優良なファンドを
- 無理のない金額を積み立てて
- 15年以上の長期で持ち続ける
- 短期売買をしない
ですので、以下の投資信託がおすすめです。
- eMAXIS Slim全世界株 または S&P500
- SBI・V・全世界株 または S&P500
- 楽天・全世界株 または S&P500
- その他、年率コスト0.3%以下のインデックスファンド
ちなみに、私も昔購入していたS&P500を保有しつつ、現在は全世界株を積み立てています。
まとめ
結論はこちらです。
- S&P500と全世界株を両方保有しても良いし、片方でもよい
- 現在、全世界株のうち6割は米国株。S&P500と全世界株を半々で保有すれば、保有資産のうち8割が米国株になる
- 全世界株の中の国の比率は変化していく
- どっちでも良いので、コストの低いインデックスファンドを選んだ方が良い
S&P500・全世界株・先進国株インデックスで迷った場合は、「自分にとって安心して放置できる投資先」にしましょう。
そして、S&P500と全世界株を半々で保有しても、地域分散によるリスク分散効果はほぼありません。