こんにちは!ふゆこ(@fuyuko190)です。
私は4年前から積立NISAを開始し、年収350万円・貯金40万円から資産1000万円を達成した方法について「節約オタクふゆこ」チャンネルで発信しています。
今回は ヒトデさん著「1万回生きた猫が教えてくれた幸せなFIRE」という書籍について解説していきます!
「幸せなFIRE」は小説形式です。
ネタバレを避けたい方はこの記事を読まないようにしてください。
- 仕事が嫌でFIREしたい人にオススメのやるべきこと
- FIREした人が結局仕事をしているのはなぜなのか
- インデックス投資でFIREを目指すのがギャンブルである理由
小説としても私は好きで、終盤では5回泣きました!
私個人としてもとても共感できる内容です。
ぜひ書店でお手に取ってみてください。
「幸せなFIRE」の概要
著者のヒトデさんは、以下のような人です。
- 元会社員で、仕事が嫌だった
- 副業ブログで2021年にFIRE達成
- 累計ブログ収益は5億円以上
- 複数のサイトを運営
この本は、ヒトデさんが実際にFIREを経験した中で、
- FIREをしただけでは幸せになれない
- FIREした人が結局仕事をしているのはなぜなのか
- 仕事が嫌な人がすべきことは?
についての答えを示してくれます。
↓ヒトデさんの運営ブログはこちら↓
この本の結論
ヒトデさんの周りのFIREした人は、ヒトデさん本人を含め、以下のような道を辿っています。
- 仕事したくない・自由になりたい
- 並々ならぬ努力で収入UP
- FIREを実現・最初は楽しい
- 空虚で退屈
- 楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事をやる
であれば、②③④をスキップして「楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事」に一気に行く方が近道ですよね。
- 仕事したくない・自由になりたい
- 楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事をやる
どうせ、FIREのためには並々ならぬ努力が必要です。であれば、努力して自分に合う仕事を探す方が本当に近道だというわけです。
な、納得できん…。
仕事が嫌なのに、仕事をしろって言われても…。
納得できないですよね。ただ、仕事が最適解である理由はちゃんとあります。順を追って解説していきます。
登場人物と導入
この本は、主に二人の登場人物の会話で構成されています。
- 佐藤智也(さとう ともや)
- 仕事が嫌で、FIREを目指す会社員
- 小鉄(こてつ)
- 喋れる猫
- 1万回生きた中で出会った、FIREしたニンゲンの姿を教えてくれる
仕事が嫌で会社を辞めたい主人公の「智也」は、喋る猫「小鉄」と出逢います。
仕事が嫌でFIREしたいと考えている智也に、小鉄は衝撃の一言を放ちます。
小鉄「はっきり言って、投資だけでFIREすることはできませんよ」
エーー!?
投資だけではできないってどういうこと?
4%ルールとかが大事なんじゃないの!?
という形で、読者に衝撃を与えつつ、小鉄は1万回生きた中で見た「FIREしたニンゲン」の事例を紹介してくれます。
投資だけではFIREできない
FIRE(Financial Independence, Retire Early)の定義はいろいろありますが、今日本で流行しているFIREは以下が主流かと思います。
投資の運用益のみで生活が成り立つ状態。
- 年間生活費の25倍の資産を運用
- 毎年4%ずつ切り崩し、その範囲内で生活できる状態
主人公の智也はFIREのために、NISAでS&P500を月5万円積み立てています。
「このままコツコツと投資を続けて、FIREしたい!」と考えている智也にとって、「投資だけではFIREできない」という小鉄の発言は受け入れ難く、信じられないものでした。
FIRE失敗例①
コツコツ投資をした会社員の賢一さん(35歳)の例です。
賢一さんはずっと贅沢せずに投資をしていき、ある日資産が6000万円になります。
しかし、その時は資産額が前月比3%減の下落相場。「今、4%ルールで切り崩して大丈夫なのか?」と不安に思い、売却せずに会社を辞めず、出社します。
- 下落相場で売却するのが怖い
- 給料が振り込まれれば、資産を減らさずに済むから会社を辞められない
- 「あと1000万円増えたら」「資産1億円になったら」とFIREを先送り
上記のようにFIREを先送りにし、賢一さんは50歳で退職します。
- もっと若いうちに人生を謳歌したかった
- 15年も我慢したけど、体にもガタが来ている
人間は利益の喜びよりも、損失の悲しみを2倍以上大きく感じると言われています。
その結果、賢一さんは不安を過剰に感じ、FIREに踏み切れなかったわけです。
FIRE失敗例②
資産5000万円でFIREした会社員の真司さん(38歳)の例です。
真司さんの場合、資産5000万円でFIREしているため、賢一さんのような後悔はなさそうですよね。しかし、別の不安が発生します。
- FIRE1年後、株式市場が大暴落
- 資産額は20%減った
- 一時は株価が回復したが、また暴落し、資産は25%減
- お金に稼いでもらうしかないので、お金が気になる
- 不安で夜も眠れない
働いていれば、20%の下落が来ても「買い時だ」くらいに思えます。
しかし、真司さんは収入を全て資産所得に依存しているため、お金のことが気になってしまい、結局「FIREすれば幸せ」という理想を打ち砕くような結果になっています。
資産が減る不安
失敗例①、②からわかるのは以下です。
- 遅くFIREすると、若い時間が犠牲になる
- 早く(資産ギリギリで)FIREすると、相場の上下に振り回される
資産収入だけに頼る以上、資産が減る恐怖から逃れることは非常に難しいです。
つまり、投資を頼りに早くFIREしても遅くFIREしても、幸せな結末にたどり着くことはできないということです。
そういう意味で、小鉄は「はっきり言って、投資だけでFIREすることはできませんよ」と言ったということです。
では、どういうFIREをすれば良いのでしょうか?
仕事を頑張らずにFIREする方法
小鉄は「仕事を頑張らずにFIREする方法」も教えてくれます。
なにそれ!知りたい!
- 極端な節約
- ギャンブル的な投機
FIRE成功例①極端な節約
資産1500万円でFIREした川崎さん(34歳女性)の例です。
- 生活費が月5万円
- 配当が年間60万円
- 月2、3万円の労働収入(単発アルバイト)
- エアコンなし
川崎さんは元々バリバリ働いていた会社員ですが、「誰かの期待に応え続ける日々」に疲れ、ある日からプツンと会社に行けなくなってしまいます。
その後、高配当株に投資してほとんど配当のみで生活するようになりました。
川崎さんは真夏でも真冬でも、冷暖房なし。
趣味は散歩、図書館、料理、家庭菜園、手芸です。
極端すぎて真似しにくいですよね…
FIRE成功例②ギャンブル的な投機
資産5億円でFIREした浅田さん(26歳男性)の例です。
- 仮想通貨で一発当てた
- 貯金100万円を5億円に
- 六本木のタワマンに住む
浅田さんの場合、ハイリスク・ハイリターンの「ギャンブル的な投機」で成功しFIREしました。
ただ、浅田さんの成功の裏には、大量の失敗者がいます。
- ほとんどの人が破滅する
- 失敗して自ら命を断つ人も珍しくない
- 「1億円稼いだのに、その後全て失って借金生活」みたいなことが普通にある
浅田さんは、一見優雅な暮らしに見えて、実は常に市場のことを考えています。才能ある一部の人にしか継続できない”トレーダー”という道を歩んでいます。
失敗した時のマイナスが大きすぎる、怖い…
インデックス投資でFIREを目指すのはギャンブル
ここまでの事例紹介のまとめが以下です。
- 投資だけを意識して早くFIREしても遅くFIREしても、不安は残る
- 仕事を頑張らないFIREは、ギャンブルか超節約。実現が難しい
浮き彫りになったのはFIREの難しさです。
ここでさらに、読者に向けて小鉄が追い打ちをかけてきます。
小鉄「まあわたしに言わせれば、〝インデックス投資を30年コツコツ積み上げてFIREを目指す〟も充分ギャンブルですけどね」
な、なんだってー!?
FIREという夢のために、日々節約してせっせとインデックス投資をしているのに!何を言い出すんだこの猫は!?
と思いますよね。
小鉄の主張はこうです。
- インデックス投資は負けにくい投資法だが、100%負けないわけではない
- インデックス投資に全てを賭けて、30年後うまくいかない場合、諦められますか?
これは、インデックス投資をする人は意識しておきたい大事な観点だと私も思います。
自己投資や夢の実現を諦め、インデックス投資とそれによるFIREだけに20年〜30年を費やすのであれば、かなりギャンブルです。
えーーー!?
じゃあどうすれば良いの!?
リスクは仕事で取る
ここまでのまとめが以下です。
- 投資だけを意識して早くFIREしても遅くFIREしても、不安は残る
- 仕事を頑張らないFIREは、ギャンブルか超節約。実現が難しい
- 堅実な投資でFIREを目指すのはギャンブル
このままでは、八方塞がりのように思えます。
ここで小鉄は「リスクは仕事でとってください」と言います。投資で取るリスクを増やすのではなく、仕事という別軸でのリスクを増やそうというわけです。
- リスクは仕事で取る
- スキルがないなら、身につける
- 「無駄になるかもしれないけど、頑張ってみる」というリスクを取る
天才ではないからこそ、初めてやることは成功しないのが当たり前です。
だから、失敗を当たり前のものとして、「無駄になるかもしれないけど、頑張ってみる」というリスクを取るのが大事です。
ここで小鉄はこう言います。
小鉄「若くしてFIRE達成する人の多くは、収入を増やすことで達成しています」
実は、節約や投機によるFIREはレアケースであり、収入増によるFIREの方がほとんどだと言うのです。
アフィリエイトブログによって稼いでFIREした星野さん(29歳男性)の例です。FIRE1年前の生活は以下のようなものでした。
- 会社での勤務前、ブログのアイデアをメモ
- ランチタイムはブログの記事構成・ライターへの指示
- 定時ダッシュ、帰宅後もブログ
不動産投資でFIREした藤林さん(33歳男性)の例です。FIRE前の生活は以下です。
- 朝5時30分に起き、出社まで物件情報の調査・メールチェック
- 昼休みは不動産管理会社や金融機関との打ち合わせが入ることも
- 本業が終わると、物件の現地視察や不動産屋へのヒアリング、パソコン作業
ここからわかるのは、多くのFIRE達成者は「圧倒的なハードワーク」をしていることです。
- 本業+副業・不動産投資などで、一日中働く
- ある程度成果を出すと労働時間を減らせることもあるが、軌道に乗るまでは圧倒的なハードワーク
多くのFIRE達成者がこれをやっている以上、目指すべきはこの道です。FIREという、普通の人ではなかなかできないことをやる以上、このくらいのことは必要です。
しかし、ここまで圧倒的なハードワークで成功しFIREできたとしても、次の問題が発生します。
「FIRE後の空虚」です。
FIRE後の空虚
最初に書いたように、FIREした人の多くは最初は楽しいものの、そのうち「空虚で退屈」な日々を送ります。そして、仕事を始めます。
- 仕事したくない・自由になりたい
- 並々ならぬ努力で収入UP
- FIREを実現・最初は楽しい
- 空虚で退屈
- 楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事
「FIREした人が結局仕事をしているのはなぜなのか?」と疑問に思う人は多いはずです。
私も、「なんで理想のFIREを実現したのに仕事をしているんだ?結局相場の上下に耐えられなかったり、資産が足りなくなったのか?」と疑問でした。
そういう人もいるかもしれませんが、5億円以上貯めてFIREした人でも結局仕事をしていたりするので、他の理由があるはずです。
その答えは「人間だから」です。
- 社会とのつながり
- 目的や目標
- 日常の刺激
- 自己実現感
ここでこの本の面白いところなのですが、小鉄(猫)がニンゲンの本能的幸せについて解説してくれます。自然と猫とニンゲンの本能的幸せの対比になるので、より理解しやすかったです。
- “個”として毎日自由にただ生きる
- 食事をする
- 眠る
- 心と体の健康
- 成功の高揚感
- 人や社会とのつながり
FIREを目指している頃は、「ネコの幸せ」的なことだけ追い求めてしまいがちです。
ですが、「人間は社会的動物である」とアリストテレスが言ったように、人間は本能的に、社会的なつながりによって得られる幸せがあります。
ニンゲンは社会を作って助け合って生きている以上、その社会に対して何か貢献することを幸せに感じるようにできているという話です。
それがニンゲンの本能なんです
「1万回生きた猫が教えてくれた幸せなFIRE」より引用
そのため、以下のFIREすると足りなくなるものは、人間の本能的幸せとして、なくてはならないものです。これがなければ不幸になります。
- 社会とのつながり
- 目的や目標
- 日常の刺激
- 自己実現感
そして、これらを全て解決できるのが「仕事」です。
仕事が嫌な人にとって、仕事とは「我慢するとお金がもらえる」ものです。これに対し、小鉄は以下のように説明します。
そういうわけで、FIRE後の空虚を解決する方法は「楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事」です。
サイドFIREは完全FIREよりもオススメ
小鉄は、ここまでのことから「FIREよりもサイドFIREの方がバランスが良い」と言います。
- 投資だけを意識して早くFIREしても遅くFIREしても、不安は残る
- 仕事を頑張らないFIREは、ギャンブルか超節約。実現が難しい
- FIRE後の空虚感を解決するのは、仕事
資産3000万円でサイドFIREした河合さん(32歳女性)の例です。
- 週3日、1日6時間Webライターとして働く
- 月10〜15万円稼ぐ
- 資産所得月10万円
- 出産時は仕事を休めば良いし、教育費がかかる時は働けば良い
- 休日は小旅行
河合さんの例は、非常にバランスが良いですね。なにより、ここまで解説してきたFIREの難点を全てクリアしています。
- FIREよりも実現可能性が高い
- 休みが多いことによる自由がある
- 仕事による社会とのつながりがある
- 経済的自由がある
- 「相場の下落」「ライフステージの変化」に合わせて仕事量の調整ができ、金銭的に破綻する可能性が低い
仕事もしているため、経済的自由にさらに近づくこともできますし、「社会とのつながり」という、人間の本能的幸せも得られます。
やりたい仕事の見つけ方
ここまで小鉄に解説してもらい、智也はこう言います。
智也「いやでも、その『やりたい仕事』っていうのが分からないんですけど…」
そこで、小鉄はやりたい仕事を見つける手掛かりについて提案してくれます。
- FIREして3年くらい好きに遊んだ後、どんなことをやるか?を考える
- 「職種」ではなく、「実際にどんな業務を行うか」で仕事を選ぶ
- 「ついやってしまうこと」を思い出す
「職種」ではなく、「実際にどんな業務を行うか」で仕事を選ぶとは、例えば以下です。
- ネコが好きだから、ネコ雑誌の会社で働く
- 漫画を読むのが好きだから、本屋さんで働く
- 原稿を書いたり、デザインをしたり、取材をするのが好きだから、雑誌の会社で働く
- 本の在庫チェック、返本の処理、POP作成が楽しいから、本屋さんで働く
つまり、「実際の業務」と、「自分がついやってしまう行動」が合致するような仕事を見つければ良いわけです。
「ついやってしまう行動」は、過去を振り返るとわかります。例えば主人公(智也)の例が以下です。
- ゲームをやる時に、わざと弱いキャラクターで工夫して戦った
- 自分が考えたオリジナルゲームで遊んだ
- 居酒屋バイトで、マニュアルよりも良い方法を思いついて実践。店長に怒られた
こういった経験から、智也の「ついやってしまう行動」は“今までにない新しいアイデアを考える”という行動であることがわかります。
FIREよりも簡単
ここで、「『自分がやりたい仕事』なんてきっと見つからないし、もし見つかっても実際にその仕事で稼げるようになる人はごく一部なんじゃないか」と思う人もいるでしょう。
しかし、小鉄はこう言います。
「〝FIRE達成のために数年で数千万円の資産を築く〟のと、〝自分がやりたい仕事で生活費を稼ぐ〟だったら、後者の方が実現確率が高そうではないですか?」
「1万回生きた猫が教えてくれた幸せなFIRE」より引用
結局、FIRE達成のためには以下のような並々ならぬ努力が必要です。
- 副業や転職による収入増
- 極端な倹約
- ギャンブル的な投機
- 20年以上の投資
しかも、その努力の後FIREを実現しても、結局仕事をするのです。だったら、最初から「やりたい仕事」を実現するために努力をする方が話が早いですよね。
もちろん、資産所得を得ることで経済的自由は近づくので、
- やりたい仕事で稼ぐ
- 投資を続け、資産所得を増やす
という、両方をやれば良いわけです。
その結果、
FIRE可能な資産額まで増えれば、よりやりたい仕事に集中できるでしょう。
資産が増えなくても、もともとやりたい仕事をしているので、基本的な家計管理さえできていれば何も問題ありません。
さて、ここまで色々と教えてくれた小鉄と智也は、この後どうなっていくのでしょうか?
気になる結末は、ぜひ書籍を読んでお楽しみください。
ちなみに、私は5回泣きました。
まとめ:仕事が嫌でFIREしたい人がやるべきこと
「1万回生きた猫が教えてくれた幸せなFIRE」からわかる、仕事が嫌でFIREしたい人がやるべきことは以下です。
- 自分が本当に必要な生活費を知る
- 仕事でリスクを取る
- 収入を増やす努力をする
- ”自分がやりたい仕事”で生活費を稼ぐ
- 「職種」ではなく、「実際にどんな業務を行うか」で仕事を選ぶ
- 「ついやってしまうこと」を思い出す
ヒトデさんの周りのFIREした人は、ヒトデさん本人を含め、以下のような道を辿っています。
- 仕事したくない・自由になりたい
- 並々ならぬ努力で収入UP
- FIREを実現・最初は楽しい
- 空虚で退屈
- 楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事をやる
であれば、②③④をスキップして「楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事」に一気に行く方が近道ですよね。
- 仕事したくない・自由になりたい
- 楽しさを感じられる、主体的に取り組みたい仕事をやる
どうせ、FIREのためには並々ならぬ努力が必要です。であれば、努力して自分に合う仕事を探す方が本当に近道だというわけです。
ぜひ書店でお手に取ってみてください。